柴犬は国内でも海外でも人気の犬種ですよね。
でも実際に飼ってみると、想像していたより飼いにくい犬種だな……と思われる方も少なくありません。
それは、本来柴犬は警戒心が強く独立心のある犬種だからです。
ワンちゃんがあなたのことを主人と認めなければ、あなたに忠実な犬にはなりません。
あなたがワンちゃんとの穏やかな生活を手に入れるには、やんちゃな時期の過ごし方がとても重要なのです。
この記事では、柴犬のやんちゃ期がいつまでなのか、そしてその時期の関わり方と正しいしつけ方法をご紹介します。
柴犬のやんちゃ期に手を焼いているというあなたは、ぜひ参考にしてみてください。
今回の記事でわかること
- 柴犬のやんちゃが落ち着く年齢
- 柴犬のやんちゃ期にしておくべきしつけとトレーニング
- 柴犬のやんちゃ期の注意点
柴犬のやんちゃな時期はいつまで続くの?
柴犬のやんちゃな時期はいつまで続くんだろう……そう悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
柴犬の寿命は、大体12歳から15歳です。
やんちゃな時期は、その中の子犬期である一年半ほどになります。
このやんちゃな時期に飼い主さんがどう関わるかで、犬の一生が左右されるほど大事な時期です。
段階を踏んでしつけや社会性を身に着けさせていきましょう。
柴犬は、子犬である一年半で大きく成長します。
- 新生子期(出生から2週)
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- 目が見えず耳も聞こえない
- 母犬に守られている
- 移行期(2週から3週)
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- 目が見え耳も聞こえる
- 外の刺激に反応し始める
- 兄弟同士で遊び始める
- 社会化期(4週から13週)
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- 脳が急激に発達する
- さまざまな刺激に慣れていく(人との関わり、他の動物との関わりなど)
- 犬の一生の気質が決まる大事な時期
中でも社会化期は、柴犬が最も大きく成長する重要な時期です。
柴犬がペットショップやブリーダーからあなたのもとに来るのは、社会化期にすでに突入している生後8週以降です。
社会化期に入った子犬は、社会性が身につく絶好の機会です。
やんちゃ期がいつまでなのかと悩むよりも、積極的にしつけとトレーニングをしていきましょう。
カワイイカワイイでしつけないまま放っておくと、かわいそうなのはワンちゃんです。
ワンちゃんが問題行動を起こす原因のほとんどは人にあります。
手に負えないくらいやんちゃで元気な犬ほど、少しのしつけとトレーニングで驚くほど変化が見られますよ!
柴犬の2大やんちゃな行動とは?
柴犬のやんちゃ行動は、子犬の社会化期から始まります。
この時期のワンちゃんは、とてもエネルギッシュで疲れ知らずです。
飼い主さんとふれあいたいワンちゃんは、時に困った行動を起こします。
飼い主さんが手を焼いてしまうやんちゃな行動で、最も多いのが次の2点です。
- 飛びつき
- 甘噛み
この2点は子犬のうちに直しておかないと、成犬になったら問題行動に発展しかねません。
癖づいてしまう前に、適切なしつけできちんと直しておきましょう。
飛びつき
柴犬は運動量の豊富な犬種で、特にやんちゃな時期は疲れ知らずです。
外を走り回りたくてウズウズしていたり、飼い主さんと遊びたくてしょうがなかったりするので、あなたを見るとうれしくて飛びついてしまいます。
子犬のうちは可愛いし受け止めてあげられても、体が大きくなれば難しいですね。
また、散歩中に他の犬や子供に飛びかかると大変です。
このように「飛びつく」行為は、多くの場面でトラブルを起こす危険性があります。
飛びつく癖は、成犬になったからといって自然に収まる性質のものではありません。
飛びつかれたら、その場でしつけるようにしましょう。
甘噛み
甘噛みはそのまま放っておくと、噛み癖になってしまいます。
甘噛みの間にしっかりとしつけましょう。
柴犬に限らず他の犬種でも、甘噛みを始める時期は、生後8週目頃からといわれています。
歯が生え変わる時期と重なるためでもありますが、遊びの延長やかまってほしくて噛むこともあります。
甘噛みは、放っておくと本気噛みに移行していき厄介です。
犬の状態を観察しながら、適切なしつけや歯固めのグッズなどでストレスを発散させることが大切です。
犬の噛み癖については、こちらの記事も参考にしてください。
柴犬のやんちゃ期にしておくべきしつけとトレーニング
柴犬のやんちゃ期の2大困りごとを直すには、適切なしつけが必要です。
また、やんちゃ行動同様に大変なのが、トイレトレーニングではないでしょうか。
そこで、やんちゃ期にしておくべきしつけとトレーニングを紹介していきます。
- トイレトレーニング
- 社会性を身につける
- 基本的なしつけ
一つずつ解説していきますね。
トイレトレーニング
トイレトレーニングは、ワンちゃんを家に迎え入れたらすぐ始めましょう。
しつけをせず放っておくと、いつまでもトイレの仕方を覚えられません。
こちらは子犬のトイレトレーニング方法になります。
- 子犬を見守られるように家族が集まる場所(リビングやダイニング)に限定する
- 家族が見守ってあげられない場合はサークルやクレート(箱形のハウス)を準備する
- 食事は決まった時間に与える
- 子犬の排泄するタイミングは食事直後が多いため、観察しやすい
- トイレ中は無防備になるため安心できる場所に設置する
- トイレの場所は寝床から離す
- 人の往来が多い扉付近は避ける
- 室内をぐるぐる回ったり、床の匂いを嗅いだりしていたらトイレに行きたい可能性が高い
- トイレの場所まで誘導していき、排泄ができたら褒めてあげる
- トイレを覚えるまではどの子犬も失敗する
- 汚れた場所は、きれいにして消臭をしておく
- 叱ると排泄する行為を悪いと勘違いして、我慢したり隠れてしたりするようになるので逆効果になる
子犬がトイレを覚えやすいように環境を整えてあげましょう。
トイレトレーニングで、気をつけなければいけないことが一つあります!
それは、散歩に行きだすと家で排泄をしなくなることです。
飼い主さんも散歩中に排泄が済ませられると楽なので、放置してしまいがちになります。
しかし、トイレは必ず家でしてから外出する習慣をつけてください。
なぜなら、自然災害時や老犬になって外出が困難な状態でも、ワンちゃんが排泄に困らないようにするためです。
犬のトイレトレーニングについては、こちらでも詳しく紹介しています。
社会性を身につける
社会性を身につけた子犬は、新しい環境でも落ち着いて行動ができるようになります。
ワンちゃんを迎えたらすぐに、社会性を身に着けさせるためのトレーニングを始めましょう。
犬を引き取れる時期は、生後8週以降(56日)の社会化期になってからと決められています。
ですから、ワンちゃんがあなたの家へ迎え入れられる頃には、もう社会化期に入っている状態です。
この時期に始める社会化トレーニングとは、子犬が人間社会に馴染むようにさまざまな体験をさせることです。
社会化期の子犬は警戒心より好奇心のほうが上回るため、物事を肯定的に受け取ることができます。
社会化トレーニングで体験させておきたいことは、次のようなものがあります。
- 騒音
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電車、車のクラクション、花火の音、ヘアドライヤー、掃除機、携帯電話など
- 場所
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公園、階段、バス、電車、交差点、学校、人の家、エレベーターなど
- 人
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獣医師、制服を着た人、子供など
- 天気
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雨、風、雪など
さまざまな初めての体験が犬の成長に繋がります。
ワンちゃんを迎え入れたら、家の中でも外でもたくさんの刺激を体感させましょう。
犬の経験値を上げるために、散歩デビューは社会化期の間にすませるのが望ましいです。
そのためにも、ワクチン接種(混合ワクチン)は計画的に進めましょう。
一般的に3回のワクチン接種から2週間後が、散歩デビューのタイミングにふさわしいといわれています。
ワクチン接種をしていない犬は、免疫力が低く感染症のリスクがあるからです。
散歩デビューのタイミングは、獣医とよく相談して決めるといいですね。
ワクチン接種のタイミングのずれなどで散歩デビューが遅れてしまっても、抱っこやカートに乗せるなどして外の世界に慣れさせていきましょう。
社会化期にたくさんの刺激を受けたワンちゃんは、穏やかで落ち着いた犬に成長しますよ!
基本的なしつけ
あなたの家に迎え入れられた子犬は、まだ十分なしつけがなされていない状態です。
ですから、日常で使う基本的なしつけをすることで、犬はより快適で健康的な社会生活を過ごせます。
次の4点は、飼い主さんと犬の主従関係を築く上で基本的なしつけです。
- おすわり
- まて
- 伏せ
- ダメ
しつけは子犬の気質を理解しながら、楽しく絆を築く良い機会です。
また、きちんとしつけられた犬は、行儀の良い子犬になります。
たとえば、物を破壊したり鳴き騒いだりしないで留守番ができたり、来客を招き入れることができたりするでしょう。
やんちゃ期の柴犬をしつけるときの注意点
しつけやトレーニングの際に注意してほしいことは一つです。
怒鳴ったり叩いたりといった体罰をしないこと!
犬は本来群れで行動する動物です。
ワンちゃんがあなたをリーダーと認めなければ、しつけはうまくいきません。
そのため、しつけるときには次の4点に注意するといいでしょう。
- 良い行動を褒める
- 簡潔に行う
- 一貫性を持つ
- 早めにしつけを開始する
良い行動をしたときは、思い切り褒めてあげてくださいね。
褒める手段として「おやつを与える」や「お気に入りのおもちゃを与える」などの方法があります。
ただし、おやつの与え過ぎは肥満の原因ですので注意が必要です。
また、ワンちゃんのしつけは、簡潔に行わなければいけません。
子犬の集中力は5分程度なので、短時間のしつけをできるまで何回でも繰り返し行います。
しつけるときの声がけの言葉は短く、家族間で統一しましょう。
叱るときの言葉は「ダメ」なのか「ノー」なのか、など、統一しないと犬は混乱してしまいます。
社会化期の子犬は、覚えが早くどんどん吸収していきます。
そのため新しい体験を最も受け入れやすいこの時期に、しつけを開始することが重要なのです。
やんちゃな社会化期に基本的なしつけとトレーニングが身につくと、穏やかで落ち着いた成犬に成長します。
柴犬のやんちゃな時期はしつけに最適なタイミング
今回は、柴犬のやんちゃな時期がいつまでなのか、そしてこの時期のしつけの重要性についてもお伝えしました。
やんちゃな時期の2大困った行動である「飛びつき」と「甘噛み」もしっかりしつけることが大切です。
迎え入れた子犬が快適に暮らせるように、この時期にしておくべきしつけとトレーニングは次の通りです。
- トイレトレーニング
- 社会性を身につける
- 基本的なしつけ
基本的なしつけやトレーニングは、あなたとワンちゃんが快適に過ごすためのルール決めのようなものです。
しつけを始めるタイミングは、早ければ早いほどあなたとの主従関係が早く構築されます。
犬を迎え入れたらすぐに始めるといいでしょう。
しつけるときに注意することは、「叩く」や「怒鳴る」といった恐怖心を犬に与えないことです。
- 良い行動を褒める
- 簡潔に行う
- 一貫性を持つ
- 早めにしつけを開始する
しつけが早く身につく一番のコツは、子犬が理解できるように一貫性を持つことです。
家族の言っていることがバラバラだったり、気まぐれで禁止していることを許可したりすると、ワンちゃんは混乱します。
やんちゃな時期の子犬が落ち着いた成犬になるかどうかは人にかかっています。
短くも濃い柴犬のやんちゃ期を楽しみながら、ワンちゃんとの友好な関係を築いていってくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。