
うちの子、大きくなってもじゃれ噛みが治らないの



子供にケガをさせそうで心配…



じゃれ噛みでもケガをすることがあります。これからできる対策を考えていきましょう
犬のじゃれ噛みとは何か


犬は、言葉を話しませんよね。
口を使ったコミュニケーションとして、吠えたり、噛んだりすることがあります。
その中でもじゃれ噛み(甘噛み)とはどういうものなのか見ていきましょう。
じゃれ噛みとは
じゃれ噛みとは以下のような行動を指します。
- 反射的に噛んでくる
- 遊んで欲しくて噛む
- しゃぶる
- 噛まずに歯を当てる
- 舐める
じゃれ噛みとは、飼い主さんなどに対して、主に前歯を使って指や腕を軽く噛む行動のことです。
多くの場合は、人への好意や親近感のあらわれであり、特に子犬の時期に見られる習性です。
安心できる存在や、一緒に遊んで楽しいと感じる相手に対して、信頼や愛情といった感情を示す行動だと捉えることができます。
本気噛みとの違い
それでは、本気で犬が噛んでしまういわゆる「本気噛み」をしてしまうのはどんな時でしょうか?
本気噛みは以下のような行動を指します。
- ご飯中に近づくと威嚇して噛む
- 体を触ろうとすると威嚇して噛みに来る
- イライラして噛みに来る
自分のテリトリーを守りたかったり、食べ物を取られるなどの不安から来る行動です。
イライラしてかみつく程度であれば八つ当たりですが、場合によっては間歇性(かんけつせい)爆発性障害の疑いもあります。
「間歇性(かんけつせい)爆発性障害」とは、原因となるストレスと不釣り合いなほど突然強く怒り、怒りを抑えるのが困難な症状の出る障害です。
本気噛みは飼い主さんに怪我をさせてしまう可能性もあります。必要なら獣医さんかドックトレーナーなどの専門家に相談してみましょう。
犬がじゃれ噛みをしてしまう原因


それでは、犬がじゃれ噛みをするときは、どんな理由があるのでしょうか?
主に2つの理由があります。
- ストレスによるもの
- 愛情不足によるもの
順番にお話していきます。
ストレスによるもの
主に子犬から若い犬に見られる、「遊びたい」「体を動かしたい」といった欲求から生じる本能的な行動です。
子犬の時期、本来であれば兄弟犬など、似た体格・体力を持つ仲間とじゃれ合う中で遊びます。
歯を当てることや、身体をぶつけ合うようなやりとりを通して、「力のコントロール」や「適切な距離感」などの社会的スキルを身につけていきます。
しかし、早い段階で兄弟犬と隔離されてしまうと、こうした経験を得る機会が減ってしまいます。
その結果、飼い主の手や足を噛む反応として現れるのです。
愛情不足によるもの
飼い主さんへの甘えによるものです。
飼い主さんにもっと構ってほしい、遊んでほしい、口寂しいなどの理由で噛んでしまうことがあります。
愛情表現のひとつですが、飼い主さんが安易に受け入れてしまうと、噛むことで喜んでいると勘違いしてしまい、噛みグセにつながってしまう可能性もあります。
原因別・しつけによる成犬のじゃれ嚙み対策


子犬のじゃれ嚙みはかわいいものですが、成犬になって噛む力が強くなると、怪我をすることがあります。
ここからは成犬のじゃれ噛みを直していくための方法をご紹介します。
ストレスからくるものか、愛情不足からくるものかで対処は違ってきます。
それぞれ解説していきますね。
ストレスが原因の場合
家具や布、革製品も噛むこともあるなら、ストレスが原因かもしれません。
体をたくさん動かして、リフレッシュさせてあげましょう。
散歩の回数を増やすのも効果的です。
散歩は日光浴にもなり、心と体の両方に良い影響を与えてくれます。
外に出て体を動かし、ストレスを解消させてあげましょう。
愛情不足が原因の場合
飼い主さんの手や足を舐めながらじゃれ噛みするのは、愛情表現の可能性が高いです。
たとえ愛情表現であっても、噛むことはいけないことだとしっかりしつけることが大切です。
噛んだ瞬間「痛い」「やめて」などの分かりやすい言葉で、冷静に叱ります。
怒鳴ったり興奮して叱ると、注意されているのではなく、ワンちゃんは自分が構ってもらっていると感じてしまうことがあります。
落ち着いた声で叱りましょう。
言葉で叱ってもやめない場合は、ワンちゃんと目線を合わせずに、すぐに部屋から出るようにしましょう。
たとえ遊んでいる最中でも、噛まれたらすぐに遊びをやめて、そっとワンちゃんから離れます。
「噛む=楽しいことがなくなる」と関連づけて学習させることが効果的です。



ついつい大きな声で叱ってしまうけど、逆効果なんですね。



飼い主が喜んでいると勘違いさせないため、毅然と冷静に叱りましょう。
犬のじゃれ噛みを減らすのに効果的なグッズ3つ


噛むことへの欲求を満たしてあげることは、ワンちゃんにとって良いストレス発散になります。
お天気が悪くてお散歩ができない日などは、噛んでも安全なおもちゃを用意して、室内でもしっかりと体を動かせるようにしましょう。
噛むという動作は、実は犬にとって立派な全身運動でもあります。
そのため、奥歯でしっかり噛める少し大きめのおもちゃや、引っ張りっこができるロープタイプのおもちゃなどを選んであげるのがおすすめです。
代表的なグッズをご紹介します。
天然ゴムを使ったおもちゃ
中に餌を入れて遊ぶことで、噛みながらデンタルケアや知育効果も期待できます。


ロープを三つ編みにして伸び縮みできるようにしたもの。結び目があり、犬がくわえて引っぱることができるので、飼い主さんといっしょに遊ぶことができます。


鹿の角
天然のものにこだわりのある方に。
本物の鹿の角を熱処理殺菌しており、衛生面でも安心して使うことができます。
丈夫で長持ちし、大きさもあるので呑みこみの心配も少ないです。


子供が犬に接するときに気を付けたいこと


家族でワンちゃんを飼う場合、ワンちゃんが子供さんを噛んで怪我をさせてしまうのが心配ですね。
犬が子供を噛んでしまう理由、子供が特に注意したい点を挙げておきます。
犬が小さい子供を苦手になってしまう理由
小さい子供が苦手な犬は少なくありません。
警戒心や不安感から子供に噛み付いてしまうことにもなりかねません。
犬は子供のどんな行動に苦手意識を持ってしまうのでしょうか?
ひとつずつ見ていきましょう。
- 予想外の動きをする
- 急に大きな声を出す
- 荒っぽく撫でる
- じっと睨む
- 食べ物やおもちゃを取り上げる
予想外の動きをする
急に走り寄ってきたり、追いかけてきたり、子供は予想外の動きをするもの。
予想外の行動が続くと、犬にとっては油断ならない存在と位置付けられてしまいます。
突然走り寄ったりされると、防衛のために噛んでしまうことも考えられます。
急に大きな声を出す
急に奇声を発したり、泣き出したり、大声をあげたりすると、犬もびっくりしてしまいます。
犬の聴覚は人間よりもずっと鋭く、突然の大きな音は、大きなストレスになります。
荒っぽく撫でる
力加減のわからない子供は、ついつい手荒なスキンシップをしがちです。
尻尾や耳を引っ張ったりするのも同様、犬にとっては迷惑な行動です。
じっと睨む
じっと見られたりすることを頻繁にされると、犬は喧嘩を挑発されていると考えてしまいます。
防衛本能から、吠えたり噛んだりしてしまうかもしれません。
食べ物やおもちゃを取り上げる
食べ物ばかりでなく、おもちゃも犬にとっては安心感の得られる大切な所有物です。
犬はもともと、非常に独占欲・所有欲が強い動物なので、おもちゃを取り上げられると大きなストレスを感じてしまいます。
大事なものを守るため、犬が攻撃してくることも考えられます。
子供に教えたい犬との接し方



犬と子供がうまくやっていくにはどうしたらいいかしら?



少し気を付けるだけで変わりますよ!
子供らしい行動はどうしても犬にとってストレスに感じることが多いですが、子も犬もどちらも大切な家族ですから、一緒にハッピーな時間を過ごしていきたいですよね。
それでは、子供は犬とどんな接し方をしたら良いのでしょうか?
子供に教えておいた方がいい、犬との触れ合い方を挙げておきます。
順番に詳しくお話ししていきますね。
- 犬をびっくりさせない
- 犬の周りで急に大声を出さない
- 犬をじっと睨まない
- 撫でるときは顎のほうから
- 食べ物やおもちゃを取り上げない
- 知らない犬にはむやみに近づかない
犬をびっくりさせない
犬を急に追いかけたり、走り寄ったりして犬をびっくりさせないようにしましょう。
犬の周りで急に大声を出さない
犬の周りで大声を出したり叫んだりしないようにしましょう。
甲高い声は犬を怖がらせてしまいます。
犬をじっと睨まない
犬と接するときは、真正面からじっと見つめさせてはいけません。
犬は真正面から見られると、睨まれていると思ってしまいます。
なるべく目線をそらすようにしましょう。
撫でるときは顎のほうから
いきなり頭から触ろうとするのは犬を驚かせてしまう行為です。
下から手を出して、あごからそっと優しく撫ぜるようにします。
また、子供であっても、しゃがむなどして目線を犬の位置まで下げると、恐怖心を和らげる効果があります。
食べ物やおもちゃを取り上げない
ご飯を食べている犬や夢中でおもちゃで遊んでいる犬には近づかないようにしましょう。
犬が口 に入れているものも取り上げてはいけません。
知らない犬にはむやみに近づかない
他の家や庭につながれている犬はもちろんのこと、散歩中に出会った犬も、飼い主さんに撫ぜていいかなどを聞いてから近づきましょう。
怖がりな犬がびっくりして悪気なく子供さんを噛んでしまったら、その飼い主さんにまにで迷惑がかかることになってしまいます。
子供さんが正しい接し方を学ぶことで、怪我や怖い思いをせずに安心して楽しくワンちゃんと過ごせるようになりたいものですね。
まとめ・じゃれ噛みをなくして安心してワンちゃんと接しよう
ここまで、じゃれ噛みの定義と理由、対処のしかた、子供が犬と接するときの注意点をお伝えしました。
まず、じゃれ噛みとは、一緒にいて安心できる相手に対しての親愛の表現です。
このような特徴がありました。
- 反射的に噛んでくる
- 遊んで欲しくて(要求の一環)
- しゃぶる
- 歯を当てる
- 舐める
一方の本気噛みはこのような特徴がありました。
- ご飯中に近づくと威嚇して噛む
- 体を触ろうとすると威嚇して噛みに来る
- 感情がイライラして噛みに来る
じゃれ噛みの原因は、主に2種類がありました。
- ストレスによるもの
- 愛情不足によるもの
成犬のじゃれ噛み対策は、じゃれ噛みの原因によってしつけのやり方が違いました。
ストレスが原因の場合、散歩の回数を増やしたりして、できるだけ犬がのびのびとできる環境を作ってあげること。
愛情不足が原因の場合、まず、冷静に叱ること。
それでもやめない場合は、無視をするなどして、とにかく噛むことはいけないと分かってもらいます。
また、噛んでもよいグッズを使うなどして、ストレス解消してあげるのも効果がありました。
その中でも、天然ゴムを使ったもの、飼い主さんと遊べるロープ型のもの、噛み応えのある骨型のものの3種類を挙げました。
そして、子供さんを噛んでしまう犬の心理状態についても触れました。
- 予想外の動きをする
- 急に大きな声を出す
- 荒っぽく撫でる
- じっと睨む
- 食べ物やおもちゃを取り上げる
など、予測がつかず、自由で気ままな子供特有の行動が、犬に不安感や緊張感を与えてしまうことが分かりました。
これから子供に怪我をさせないために、以下の点に注意しましょう。
- 犬をびっくりさせない
- 犬の周りで急に大声を出さない
- 犬をじっと睨まない
- 撫でるときは顎のほうから
- 食べ物やおもちゃを取り上げない
- 知らない犬にはむやみに近づかない
犬は、本能として、噛む行動をする動物です。
しかし、噛むことで人に危害が及んでしまっては、取り返しのつかないことになります。
ぜひ正しいしつけを行って噛みグセを直し、安心して楽しくワンちゃんと過ごしましょう。