ワンちゃんと生活していると、自分のしっぽを追いかけてグルグル回っている行動を目にしませんか?
かわいらしい姿ですが、実はその行動の中には危険なサインが隠されています。
ただ遊んでいるだけかと思っていたのですが……
もちろん、遊んでいるだけで特に問題のない場合もありますよ。
放っておくと、しっぽを追いかけ回す行動が犬にも飼い主にも負担になってしまいます。
最悪の場合しっぽを嚙みちぎってしまい、治療が必要になることも。
取り返しがつかない場合もありますので、犬が出しているサインに早めに気づいて対処することが大切ですよ。
今回の記事でわかること
・しっぽを追いかける理由
・危険なサイン
・しっぽの追いかけをやめさせる方法
あなたのワンちゃんの行動と照らし合わせて参考にしてくださいね。
犬がしっぽを噛んだり追いかけたりする理由
ワンちゃんといつも一緒に暮らしていると、あまり気にしていないことが原因になっているかもしれません。
しっぽを噛んだり追いかけたりする背景には、大きく分けて3つ理由があります。
これらの理由をひとつずつ解説していきますので、日ごろの生活を思い返してみてくださいね。
また、対処法については後ほどご紹介しています。
ストレス
しっぽを噛んだり追いかけたりする原因の多くは、ストレスです。
ストレスには2種類の要因があります。
身体的ストレス
最近、ワンちゃんとお散歩や体を動かす遊びをしていますか。
犬は運動不足を発散するために、しっぽを追いかけることがあります。
反対に過度な運動もストレスになってしまうので、犬にとっての適度な運動量が大切です。
一度に体を動かすよりも、毎日ちょうどよい量の運動を意識しましょう
また飼育スペースが十分にないと窮屈に感じてしまい、それが原因でストレスになることもあります。
環境的ストレス
家庭内の雰囲気が良くなかったり、犬とのスキンシップが足りない場合にもストレスがたまります。
また家の引っ越しや住居人数が増えたことで生活環境が変わり、負担になることもストレスの原因です。
ほかにも2匹以上を一緒に飼う多頭飼いにより、犬同士の相性が合わないと、ストレスをためてしまうので注意しましょう。
病気
病気には、外部から刺激によるものと脳の障害によるものがあります。
寄生虫
ノミ・シラミ・マダニなどの寄生虫によってかゆみの症状がでます。
しっぽに寄生虫がいる場合、気になってしまいしっぽを追いかけることも。
犬が気にしている部分をよく見ると、ノミがピョンピョンと飛び跳ねたり、寄生虫の死がい・糞が見つかるかもしれません。
放置してしまうと酷いかゆみに襲われてしまうので、早めに気づいて対処しましょう。
皮膚炎
犬は体が毛で覆われているので、そのぶん皮膚が繊細です。
そのため、アレルギーや細菌が原因で皮膚炎になりやすく、かゆみ・赤み・湿疹などの症状がでます。
しっぽの部分に症状があれば気になるため追いかけてしまうのです。
ストレスが原因でアレルギー性皮膚炎を発症する場合もあるよ。
てんかん
てんかんは脳の構造には問題がなく機能に異常がある病気ですが、まだ詳しいことは解っていません。
犬の場合は、硬直や大量のよだれを垂らすなど大小さまざまな症状があるほかに、しっぽに追いかけられているといった錯覚を起こします。
そのため、追いかけてくるしっぽに対して怒り、ぐるぐると回りながら追いかけてしまうのです。
興味遊び、暇つぶし
幼い犬は動くしっぽに興味を持ち、よく追いかけて遊びます。
それも成長すると徐々に減っていきますが、成犬になっても暇つぶしにしっぽを追いかけることがあります。
頻繁に行われなければ、ただ遊んでいることがほとんどですよ。
また、飼い主さんの興味を引きたくてしっぽを追いかけることがあります。
かわいらしい行動ですが、しっぽを追いかけている行動に対して過剰に反応してしまうと飼い主さんが喜んでいると思い、繰り返し行動をしてしまいます。
遺伝
遺伝によって、比較的しっぽを追いかけやすい犬種がいます。
- ポメラニアン
- ブルテリア
- ジャックラッセルテリア
- ジャーマンシェパード
また柴犬にも多く見られます。
柴犬の6割がしっぽを追いかけるともいわれますが、3割は吠えながらしっぽを追いかけるそうです。
犬がしっぽを噛んだり追いかけたりする際の3つの危険なサイン
実は犬がしっぽを追いかけた噛んだりする原因の中で、気をつけてほしい3つのサインがあります。
「犬がしっぽを追いかける理由」については、ひとつ前の章で触れさせていただきましたね。
この章では、いち早く気づいて欲しい行動についてお伝えいたします。
ワンちゃんの行動に気づかずにいると、生活に支障をきたすなど、ワンちゃんの体がボロボロになってしまいます。
しっぽ追いを継続して繰り返している
一時的にしっぽを追いかけてストレスが発散されるのならば、正常な行動とされ問題ないことが多いです。
同じ行動を継続して繰り返すことを常同行動といいます。
常同行動の悪化により犬の日常生活に支障をきたすほど、しっぽを傷つけたり正常行動ができなかったりするのであれば、常同障害の可能性があります。
常同行動の治療は症状の具合によって違いますが、抗うつ薬や抗不安薬などの投薬などを行います。
しっぽを頻繁に噛む
しっぽを噛んでしまう場合、寄生虫がしっぽやその付近に付着していることが考えられます。
私たち人も、かゆみの症状がある部分は気になってしまいますよね。
犬の場合も同じように、かゆみや炎症が気になって噛んでしまいます。
傷をつけたり出血したり、ひどい場合は嚙みちぎって(断尾)してしまうので注意しましょう。
しっぽに敵意を向けながら追う
犬のてんかんの症状のしっぽに追いかけられている錯覚は、しっぽに対して牙をむいたり、怒ったりします。
この行動もしっぽを噛みちぎる可能性があるので気をつけましょう。
てんかんは放っておくと犬も飼い主さんもつらいので、動物病院で診察・治療が必要です。
犬の出しているサインに気づけるか心配です。
具体的には、下記のような行動に注意します。
注意すべきサインの見分けかた!
- ふとしたときに、いつもしっぽを追いかけている
- 追いかけだすと5分以上止まらない
- 夢中になりすぎて飼い主さんの声が届かない
- しっぽを噛みながら追いかけすぎたため、出血や皮膚が傷ついた
このようなサインに気づいたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。
犬がしっぽを噛んだり追いかけたりする際の対処法
しっぽを追いかけないようにするには、どのような方法があるのでしょうか。
原因ごとに対処法をお伝えいたしますね。
ストレスを取り除くこと
- スキンシップの時間を増やす
- 適度な運動をする
- 十分に動ける広さを確保する
一緒にあそんだり、散歩をしたりしてワンちゃんとの時間を増やしましょう。
忙しくても、声をかけたり撫でたりする時間をつくりたいですね。
遊びや暇つぶしでしっぽを追ってしまう代わりに、噛むと音がでるおもちゃや犬用のガムを与えてみましょう。
飼育する環境を整えることも大切です。
ワンちゃんが動くための十分な広さを確保します。
犬は聴覚が優れているので、自宅周辺で工事やイベントなど騒音はないかも確認しましょう。
多頭飼いの場合は、犬同士の相性を確認しながら飼うようにします。
少しずつ慣れさせて、ストレスにならないようにしましょう。
体の状態をマメにチェックする
寄生虫や皮膚炎などの病気がないかを日ごろからチェックしましょう。
外側だけでなく毛の内側を掻き分けて、皮膚の様子を観察することが大切です。
異変が見つかった場合は、放置せずに動物病院で診てもらいましょう。
またシャンプーの濯ぎが十分でないと皮膚炎をおこします。
飼い主さんがシャンプーするときは濯ぎ残しがないように、しっかり洗い流してくださいね。
繰り返される行動に気をつける
ストレスによりしっぽを追いかけてるうちに常習化しないように、日ごろからワンちゃんの動きをチェックしましょう。
てんかんや常同障害を思わせるようならば、早めに動物病院へ行き、診断・治療が必要です。
「噛む」行動は、話したり泣いたりしない犬の重要なサインでもあり、問題行動でもあります。
噛み癖にしないためには、飼い主の正しい知識としつけが大切です。
下の記事では、しつけの重要性についてお伝えしています。
犬がしっぽを噛んだり追いかけたりする行動を解消して、快適に過ごそう!
かわいらしく見える犬のしっぽを追いかける行動は、ときに危険なサインであり自傷のおそれがあります。
症状の悪化を避けるためにも正しいしつけをして、早いうちに病気の発見に気づくようにしましょう。
今回の記事で分かったこと
- 犬がしっぽを噛んだり追いかけたりするのはストレスや病気が原因
- ストレスは解消させる
- 寄生虫や皮膚炎は早めに治療する
- しっぽに怒りながら追いかけているときはてんかんも疑う
- 持続的にしっぽを追いかける常同行動には要注意
日ごろからワンちゃんの様子を観察して小さな変化に気づけるようにしたいですね。
楽しく快適に暮らすためにも、しつけの大切さを忘れないようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!