クレートってうちの子にも必要かしら?
子犬のときにクレートトレーニングをしてこなかったけど、今更できるのか不安で……。
クレートトレーニングをするべきか、お悩みの飼い主さんも多いのではないでしょうか?
実は、クレートを生活に取り入れればば、ワンちゃんの安全や快適な環境を守れるとともに、飼い主さんにとっても便利なツールになるんですよ。
こちらの記事では、クレートを使う利点や成犬でも可能なトレーニング方法について詳しく解説します。
これからワンちゃんのクレートトレーニングを始めたい方やクレートについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
今回の記事で分かること
- クレートとケージの違い
- クレートトレーニングの必要性
- 成犬のクレートトレーニングについて
- 成犬のクレートトレーニング方法
- クレートトレーニングの成功のコツ
クレートとケージの違い
クレートとケージはどちらもワンちゃんのハウスになるものですが、形状や用途が違ってきます。
ケージは室内での据え置き型、クレートは外出など持ち運び可能です。
犬は自身のテリトリーを守りたい習性があるので、安全なテリトリーを用意してあげるという面ではどちらも必要なものです。
どちらが良いということではなく、うまく使い分けることで、ワンちゃんも飼い主さんも快適に、そして便利に暮らせますよ。
クレートの特徴
クレートは屋根付きのキャリーケースで、プラスチック製の物が主流です。
室内はもちろん、外出時に犬を連れて出かけるときにも使えます。
特徴として、以下の点があげられます。
- 持ち運べることを前提とし、持ち手のついたプラスチック製など軽くて丈夫なもの
- 犬の体がちょうど収まるくらいの大きさが一般的
うちの子を狭いクレートに閉じ込めてしまうなんて、かわいそう……。
かわいそうと思う必要はありません。犬は本来、狭い巣穴で生活していたので、狭い空間を好むものなんです。
トレーニングすれば、ワンちゃんにとっても快適な居場所になってくれますよ。
ケージの特徴
ケージは金属製の檻の場合がほとんどで、屋根が付いているものと、付いていないものがあります。
特徴として、以下の点があげられます。
- 室内での据え置き型で、ワイヤーの柵で覆っているため中が見えやすい
- 犬が長時間過ごせるように、ある程度の広さの余裕を持たせている
- 長時間過ごすことを前提とし、トイレ場所を設ける場合が多い
ケージはクレートと違い、室内でより犬が快適に過ごせるように作られています。
お留守番もケージがあれば、大事なワンちゃんを家の中のあらゆる危険から守れますよ。
クレートトレーニングの必要性
クレートについては分かったけれども、外出もほどんとしないし、ケージがあればクレートはうちの子には要らないかしら?
いえいえ、外出以外にもクレートの必要性は他にもありますよ。
車の移動時や災害時にハウスとして利用できますし、病院など慣れていない場所ではワンちゃんにとってリラックスできる空間になってくれます。
いつも使い慣れているものを使用できるので、ワンちゃんのストレス軽減になりますよ。
また車の移動時に膝に座らせることは、犬の予期せぬ動きに対応できず、とても危険です。
クレートをシートベルトで固定すれば、大切なワンちゃんに怪我などさせずに済むでしょう。
さらに来客時のストレスからも、ワンちゃんを守ってくれます。
犬は視界を遮った方が落ち着けるため、視界を塞ぎやすいクレートはゲージよりも安心できるスペースにしやすいんです。
成犬のクレートトレーニングについて
成犬のクレートトレーニングについて、うまく教えられるか不安を感じている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
クレートトレーニングは比較的難しいものではありませんので、安心してください。
もちろん、子犬のときにトレーニングを行うことが理想的ではありますが、成犬でも十分可能です。
成犬のクレートトレーニング方法
成犬のクレートトレーニングを行うには、次のステップで行います。
- クレートの存在に慣れさせる
- おやつやおもちゃを使ってクレートに誘導する
- 「ハウス」の指示を理解させる
- 扉を閉めてクレート内の滞在時間を延ばす
ここからは、それぞれのステップについて詳しく説明をします。
クレートトレーニングに不安がある飼い主さんも、こちらを見ればきっとトレーニングが成功するでしょう。
1.クレートの存在に慣れさせる
まずは、クレートを身近な存在と捉えてもらうところから始めましょう。
普段、ワンちゃんがよく過ごす場所にクレートを置き、扉を開けておきます。
最初は無理に誘導することはせず、ワンちゃんが不審な気持ちにならないようそっと見守りましょう。
2.おやつやおもちゃを使ってクレートに誘導する
続いておやつやワンちゃんのお気に入りのおもちゃをクレートの奥の方に入れ、クレートに入るよう誘導していきましょう。
うまく入れたら、思いっきり褒めてあげてください。
他のしつけでも共通ですが、犬がうまくできた行動について、しっかり褒めてあげることがトレーニング成功の秘訣です。
3.「ハウス」の指示を理解させる
おやつやおもちゃでクレート内に自から入るようになったら、次のステップに進みます。
クレートに入るときに「ハウス」と声かけして指示を出します。
何度か繰り返せば、「ハウス」の指示でクレート内に入ってくれるようになります。
おやつやおもちゃを使って誘導しながら「ハウス」の指示を出すと、さらに早く覚えてくれますよ。
4.扉を閉めてクレート内の滞在時間を延ばす
「ハウス」の指示が理解できるようになったら、次は扉を閉めてみましょう。
最初はほんの数秒、扉を閉めるだけで構いません。
数秒から数十秒、1分、2分とワンちゃんが不安にならないよう様子を見ながら、時間を延ばしていきます。
ワンちゃんが落ち着かなければ、クレート内におやつやおもちゃを入れるのも効果的です。
最初はクレート滞在中も近くで見守ることで、ワンちゃんに安心感を与えられます。
扉を開けるタイミングは、以下のことに気をつけてくださいね。
扉を開けるときは、ワンちゃんが吠えてしまう前に開けるようにしましょう。
「吠える=扉を開けてくれる」と勘違いさせると、トレーニングがうまくいきません。
扉から出てきたときは、思いきり褒めてあげることも大切です。
クレートに慣れてくると、一晩中安心して眠ったり、お留守番したりできますよ。
クレートトレーニングの成功のコツ
こちらでは、クレートトレーニングを成功させるためのコツをご紹介します。
- 焦らずじっくり取り組む
- 適切なクレートのサイズを選ぶ
- クレートに良い印象を与える
- 犬が寝ている最中にクレートに移動させる
それぞれコツについて説明します。
1.焦らずじっくり取り組む
最初は誘導しても、うまくクレートに入ってくれないワンちゃんも多くいます。
飼い主さんの焦りや苛立ちが見えてしまうと、ワンちゃんの自信を失いかねません。
まずはクレートに慣れさせることを目的として、気長にトレーニングを進めることで、ワンちゃんと飼い主さんの絆もより深まることでしょう。
2.適切なクレートのサイズを選ぶ
クレートトレーニングを成功させるには、ワンちゃんにとって快適なクレートサイズを選ぶことも重要です。
まずはワンちゃんのサイズをメジャーで測ります。
- 立った状態の犬の床から頭までの長さ
- 伏せの状態の犬の前足先から尻尾の付け根までの長さ
次にクレートのサイズを確認します。
- クレートの高さ=立った状態床から頭までの長さ+5cm
- クレートの奥行=伏せをした状態で計った長さと同じ
上記を目安にクレートを選べば、クレート内でもある程度身動きが取れ、安心して過ごせます。
3.クレートに良い印象を与える
クレート自体に犬が悪い印象を持ってしまうと、トレーニングの失敗に繋がります。
「この中に入ると良いことがある」と、ワンちゃんが思えることが重要です。
無理にクレート内に追いやるようなことは、絶対に避けましょう。
またクレートを反省を促す場所として、中にワンちゃんを閉じ込めてしまうことも禁物です。
クレートに近寄らなくなる原因になるので、悪い印象に繋がる行為はしないでくださいね。
4.犬が寝ている最中にクレートに移動させる
抱っこができる小型犬などに限ったコツですが、寝ている最中にクレートの中にそっと移動させるとよいですよ。
「クレート=休む場所」と、ワンちゃんに印象付けられます。
扉は開けたままにしておき、いつでも出ることができるようにしておきましょう。
安心して眠ることができるように、お気に入りの毛布なども一緒に入れてあげるといいですね。
クレートトレーニングで安全・快適に過ごしましょう
今回は、成犬でも可能なクレートトレーニングの必要性や方法・コツについて、またクレートとケージの違いについてご紹介いたしました。
クレートの特徴は以下の通りです。
- 持ち運べることを前提とし、持ち手のついたプラスチック製など軽くて丈夫なもの
- 犬の体がちょうど収まるくらいの大きさが一般的
クレートは室内でも外出先でも使え、巣穴のイメージに近いのでワンちゃんに安心感を与えやすいです。
ケージの特徴は以下の通りです。
- 室内での据え置き型で、ワイヤーの柵で覆っているため中が見えやすい
- 犬が長時間過ごせるように、ある程度の広さの余裕を持たせている
- 長時間過ごすことを前提とし、トイレ場所を設ける場合が多い
睡眠から排せつまでできるスペースの確保が可能なので、お留守番をさせるときなどに向いています。
次に、クレートトレーニングの必要性は以下の通りです。
- 車の移動時や災害時のハウスとして利用できる
- 車の移動中の予期せぬ事故から愛犬を守れる
- 見知らぬ来客時のストレスを軽減できる
クレートを活用することで、大切なワンちゃんを外部のストレスから守ってあげられますよ。
成犬のクレートトレーニングの手順は以下の通りです。
- クレートの存在に慣れさせる
- おやつやおもちゃを使ってクレートに誘導する
- 「ハウス」の指示を理解させる
- 扉を閉めてクレート内の滞在時間を延ばす
あわせて、成犬でもクレートトレーニングが可能であるとお伝えしました。
子犬のときにトレーニングすることが望ましいですが、成犬でも十分可能ですので、ぜひ教えてあげてください。
最後に、成犬のクレートトレーニングのコツは以下の通りです。
- 焦らずじっくり取り組む
- 適切なクレートのサイズを選ぶ
- クレートに良い印象を与える
- 犬が寝ている最中にクレートに移動させる
成犬のクレートトレーニングは比較的難しいものではありません。
クレートを活用することで、ワンちゃんの安全を守り、飼い主さんとの絆もより深まることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。